五十肩の急性期は炎症により起こり、沈めるのが一番の治療

五十肩にも、経過と共に症状が別れ、それにより治療法も異なります。
五十肩の症状が出たばかりの時期を急性期といいますが、こちらの目安とは何でしょうか。

■急性期は関節の炎症によって起こる

急性期の兆候として、炎症による、激しい刺す様な痛みがある事から、炎症期と呼ばれる整形外科の方もおられるようです。
関節が腫れている状態ですので、期間は患者さんにより、それぞれですが、1〜2ヶ月がめどとされています。
では、炎症が慢性化しない、悪化しないためには、どの様な事を気をつければ良いのでしょうか。

■五十肩の急性期は、患部の安静が第一

五十肩を慢性化、悪化させないためには、炎症をおこしている関節を休ませ、負担をかけない事が第一です。
重いものを持つ、偏った荷物を持つといった日常の行動は厳禁。
炎症を起こした方の肩は、なるべく使わないという事が大事です。
かといって、炎症を起こした方の肩を三角巾などで、ずっと固定しておきっ放しですと、筋が固くなってしまいます。
炎症が起こりにくい撓る様、凝りにくい筋肉を作るためにも、筋肉をゆらす程度の事は一日数回した方がよいのです。
これは力んで運動をするというものではなく、手を肩の付け根からだらりと下にぶら下げて、重力の力だけで、ほぐしていく、振り子のような体操です。
肩につく筋肉を重力に任せ、ほぐしていくというのは、普段の動きと真逆になるので、効果的です。

五十肩の急性期の治療には、必要以上に負担をかけない、普段筋肉がついている向きと逆向きにほぐすという療法を組み合わせることにより、回復にむかっていくのです。

殆どの五十肩の症状は、慢性期を放置した結果

五十肩の症状で、最も多いのが、慢性期のまま長年放っておいた方です。
病状が進行しすぎて、首も回らなくなれば、肩甲骨から上に腕が上がらない程、周りの筋肉が癒着していらっしゃる方もいると思います。
そこまで病状が進行して、整形外科にかけこむまでに出来ることはないのでしょうか。

■慢性期に突入すると、鈍痛になる。

五十肩が慢性期に突入する目安というのは、急性期(炎症期)の刺す様な痛みから鈍痛に変わる時です。
患部がむず痒いが、肩が凝る、肩がどうしても前に行くという方も、これにあたります。
動かさないと痛くないけれど、動かすと痛いから運動はしたくない、大丈夫と放っておくと、肩甲骨から筋肉が癒着し固まってしまうのです。
そうなる前に、適度な運動を取りいれた方が、五十肩の慢性期の回復には良いのです。

■慢性期の誰でも出来る療法は温熱療法

慢性期の具体的な治療法として挙げられるのが温熱療法です。
急性期は炎症ですので、冷やしたり、湿布を貼ったりしたのですが、慢性期に入るとその逆です。
目的は凝り固まった筋肉をほぐしていくことですので、どなたでも出来る温熱療法は、ぬるめのお風呂にのんびりと入ることです。
この時に肩を冷やさない様にする事がポイントとも言えます。
夏場ですと、寝る時に扇風機やクーラーの風が直接肩に当たらないようにする工夫をすると慢性期の凝りが回復しやすくなります。

■ それでも痛みの引かない五十肩の慢性期には、医師へ相談を

五十肩の慢性期の回復には半年強が目安となりますが、温熱療法でも回復しにくい場合には、肩にヒアルロン酸注射を射ち、動きを滑らかにしたりすることもできます。
他の療法としては、肩にステロイド、麻酔、生理食塩水を注射するパンピング療法というものがあります。
なるべくであれば、自己回復力で治したいものですが、いざという時に頼るという方法もあるということです。

この慢性期が過ぎると、回復期になります。
本格的な筋力トレーニングを行うのは、回復期の後半からにすると、肩関節の負担が少なく、回復への道は早くなります。

五十肩の回復期は慢性期に適切治療を受けていたかが回復の鍵となる

五十肩の症状には刺すような痛みがある急性期、鈍痛になる慢性期、そして回復期があります。
慢性期に何もしなかった人と、きちんとした治療を行なった人の差が歴然と現れるのが回復期です。

■回復期で差が現れる五十肩

五十肩の原因の一つとしてあげられるのが筋肉周辺にある筋肉の滑りをよくするための潤滑液を出す滑液包(かつえきほう)が傷つき、周辺の筋組織が傷つく事です。
慢性期にきちんとしたリハビリをしていれば、筋肉の中に無数に存在する滑液包は機能を回復し、傷ついた腱も元通りになります。
これが可動域が元通りになるメカニズムです。
しかし、痛いからといって何もしなかった人は、この滑液包が作られるのが遅くなり、筋肉と腱の癒着が始まり、可動域が狭くなってしまいます。
同じ時期に五十肩になっても、回復期に歴然の差が現れるのは、こうした事が原因です。

■回復期は痛みが少なくなるからこそ油断大敵

回復期には痛みが少なくなり、こうした筋肉と腱の癒着が起こりつつあることがわかりにくくなってきています。
気がつくと外科的処方が必要になってしまう患者さんもあります。
回復期こそ油断は禁物です。
回復期には基本的に投薬による治療は行なっていない所が多いのですが、リハビリなどの体を動かす療法は慢性期とほぼ同じです。
痛みが少ないからこそ、医師やパーソナルトレーナーの指示を仰ぎ、無理ない判断で、温熱療法や、リハビリをしていくことです。
また、回復期のリハビリやトレーニングに焦りは禁物です。
五十肩の回復期は半年かかると言われています。
これからきちんと動く方をもう一度手に入れる為と思い、リハビリの期間はコツコツと療法に励むことが大事ともいえます。